OpenAI DevDay 2025

OpenAI DevDay 2025で、OpenAIは「ChatGPTの中でアプリを動かせるようにする」=会話の画面そのまま、操作も表示も完結させる方向を本格始動することを発表しました。開発者向けにはApps SDK(アプリ開発キット)とAgentKit(エージェント開発ツール)を発表。モデル面ではGPT-5 ProやSora 2(動画生成)が使えるようになり、“調べる・作る・見せる”をチャット内でまとめて実行できるフェースに踏み出しました!
4つの柱
1) 「ChatGPT内のアプリ構築」
何ができる?
- ChatGPTの会話の流れの中に、操作ボタンやUIをそのまま表示して、外部サービスとつないで処理できます。
- 画面の出し方はインラインカード/カルーセル/フルスクリーン/ピクチャ・イン・ピクチャ(PiP)など。動画を見ながら質問、地図を表示して条件検索…といった“見ながら、聞きながら、操作する”が1つの会話で完結します。
- MCP(Model Context Protocol)を使い、アプリ側のロジック(やること)とUI(見せ方)をセットで設計し、ChatGPTから安全に外部ツールやデータにアクセスできます。
デモ例
- Courseraの講義動画を見ながら、その場で質問。
- Zillowの地図を会話に埋め込み、自然言語で条件をしぼる。
- Canvaでポスター案→会話の流れでピッチ資料も生成。
こうした「行ったり来たり」をやめて会話画面の中で完結するのが狙いです。
2) 「エージェント構築の迅速化」—AgentKitとは?
一言で言うと?
ノーコードに近い操作で“仕事を自動でこなすAI(エージェント)”を作るためAgentKitを提供します。それは大きく3つです。
- Agent Builder:ドラッグ&ドロップで処理(分岐、ツール呼び出し、バージョン管理、テスト実行)し、組み立てる“設計図の画面”。
- ChatKit:自社サイトや製品に会話UIをポン付けできる部品(スレッド管理、ストリーミング表示、思考インジケーターなど込み)。
- Connector Registry:Google Drive等の社内データ連携を一元管理(順次ロールアウト)。
要は何がラクになる?
これまでバラバラだった「設計→実装→UI→運用」の分業を、同じツール群の中でつなげて回せるようになります。プロトタイプから本番までの時間が短くなります。
3) 「ソフトウェア作成の容易化」—モデルとAPIの進化
GPT-5 Pro
- ご存じのとおりGPT-5の中でも最も高性能なバージョンである「GPT-5 Pro」がAPI経由で開発者向けに公開されました。
Sora 2(動画生成)
- 動画生成モデル「Sora 2」がAPIプラットフォームで利用可能になり、アプリケーションへの動画生成機能の統合が容易になりました
小型・低コストモデルの流れ
- より軽い音声モデルなど、“安く・速く回す”用途向けの発表もありました。重い仕事はGPT-5 Pro、日常処理は軽量モデル…という“使い分け”が基本設計になります。
まとめ
OpenAI DevDay 2025での発表は、「AIはコードが書ける人だけのもの」ではなく、もっと多くの人がいじれるような身近なものに近づいていると感じました。これからはチャットでのやりとりと見たまま操作できるビルダー(Agent Builder)が中心になるので、エンジニアでなくてもAIの波に乗れそうです。つまり、ChatGPTという“新しいOS”の中で、高度なアプリ体験をそのまま使えるし、自分の仕事の流れをエージェントとして設計・公開することもできます。しかも、低コストで画像や音声、動画まで扱えるマルチモーダルAIを活用可能。要するに、AIは「特別な技術」から、誰もが使えるインフラへと本格的に変わる決定的なタイミングに来た、ということです。今年もあと数か月となりましたが、2026年もAIがどのよに進化していくのか今からとても楽しみです。
-
前の記事
OpenAI「Sora 2」 2025.10.04
-
次の記事
記事がありません