OpenAI「Sora 2」

はじめに
ここ最近話題になっているOpenAIの動画生成AI最新モデル「Sora 2」は、初代Soraで指摘されてきた動きの不自然さや一貫性を保てないという問題点を解決することを試みたモデルです。サンプル画像をみて驚きましたが、かなり進化してます!!日本語も自然ですし、動きも違和感がありません。このレベルだとちょっとしたMeta広告に流すような動画CMなら編集なしにでもいけそうですね。
Sora 2とは何か
Sora 2は、動画と同時にセリフや環境音、効果音を生成し、それらをきちんと映像に同期させる点がまず凄いです。単なるBGMの追加ではなく、口の動きや動作のタイミングと音が一致することで、視聴時の違和感を軽減してます。あわせて、重力や摩擦、接触といった物理的な整合性をより適切に表現できるよう設計され、被写体の運動や相互作用が自然に見える領域が広がりました。さらに、ショットの切替や登場オブジェクトの扱いなど、プロンプトの細かな指示に対しても安定して反応しやすくなったとOpenAIは説明しています。
今回のSora2のクオリティをみるとちょっとした広報・広告制作の現場でかなり使われていくのではと思います。初代では崩れがちだったマルチショットの連続性や視点切替も改善が示されており、テンポの良いショート動画やSNS用対話カットの生成が可能になってます。
限界とコスト、そしてリスク管理
もちろん、まだ課題もあります。初代Soraに比べて物理的な整合性をより適切に表現さてきてますが、それでも複雑な物理現象において克服はされていません。たとえばガラスの割れる様子や複雑な流体の動きなどは完全には再現できてません。光の反射や屈折が関わるシーンも今一つです。また、複雑な相互作用や群衆、手指など細部の破綻は依然起こり得るため、編集でのリカバリー前提の運用設計が欠かせません。
また安全性とコンテンツ監視の強化をしていますが、現在のSora2のアプリを開いてみた方は感じると思いますが、実名人物や著名IPの利用、特に日本のIPが勝手に使われている感じです。利用するときには注意が必要です。OpenAI側としてもこの問題を対処してほしいと思ってましたら、サム・アルトマンは3日に声明で「(キャラクターなどの)著作権者が生成をよりきめ細かくコントロールできるようにする」とあったので今後に期待をしたいですね。
ワークフロー統合とAPIの波
今後、OpenAIはSora 2のAPI提供を示唆もしており、動画編集ソフトや配信プラットフォームへの統合は時間の問題です。当社のようなクリエイティブ業界で動画生成AIを利用するときには、どんな素材でも物理的に破綻しないことが重要です。Sora 2は今までの動画生成AIと同じように動画CMを一発で完結できるものではないのですが、それでも製造工程の高速化の助けになることは間違いないと思います。
まとめ
クリエイティブ業界でダントツ人気のあるRunway Gen-3は使いやすさと安定性で評価が高いので、Sora 2がどこまで差を縮めることができるのかとても気になります。また、Sora2はプロ品質の映像生成がアイデア次第で誰にでもできるようになります。今まで予算の関係で製作を躊躇していた動画制作も可能になりますので挑戦をしてみてくださいね。
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