Googleの動画生成AI「Veo3」実際に試いしてみた

Googleの動画生成AI「Veo3」も凄いクオリティは凄い!というブログを前にも書きましたが、価格が問題で、Google AI Proプラン(月額2900円)でも使えるものの、月10回に制限され、11本目からはVeo 2になってしまいます。Google AI Ultraプラン(月額3万6000円)を使うことが前提おようです。ともあれ僕も試せるようになっていたので作ってみました。「日本のアイドル歌手が楽しそうに歌っているシーンを動画生成して」という簡単なプロンプトで生成してくれた動画がこれです。
セリフは少したどたどしいですが、音声と同時にセリフに合わせて口が動いているのでそのクオリティには改めてびっくりしました。
Veo3の特徴
前回のおさらいになりますがVeo3はテキストプロンプトを解析する能力が向上し、ユーザーが与えた指示に対して極めて忠実な映像を作り出すことが可能です。さらに現実世界の物理法則を再現する力も強化され、動きの挙動や物体の質感が一層リアルになりました。カメラのボケ味など高度な被写界深度表現にも対応しており、プロの映像作品のようなシネマティック演出も自在です。
なんといってもVeo3最大の特徴は、サンプルで製作したように音声付き動画を生成できる点です。会話音声・BGM・効果音・環境音など、シーンに応じたあらゆる音をAIがネイティブに生成し、映像にシンクロさせてくれます。もちろん登場人物のセリフにも対応しており、音声に合わせて口の動きもしっかり同期します(リップシンク)。従来は映像を生成した後に別途ナレーションや効果音を加える必要がありましたが、Veo3ではプロンプト一つで映像も音声も含めた「完成品」を得ることができます。数ある動画生成AIの中で頭一つでた感じです。
では、Veo3の基本スペックを改めて整理してみましょう。
- 動画の長さ:一度に最大8秒間の動画を生成可能。短尺ですが、後述するツール「Flow」を使えば複数クリップをつなげて物語性のある長尺動画に拡張できます。
- 解像度:現時点では最大1080p(フルHD)まで対応しており、将来的には4K出力も計画されています。プレビュー版では720p制限ですが、正式版に向け高精細化が進む見込みです。
- フレームレート:最大24fpsで映画のようになめらかな動きを実現。激しい動きでもカクつかず、自然なモーション表現が可能です。
- アスペクト比:標準の16:9に加え、縦長(9:16)や正方形(1:1)にも対応予定。スマートフォン向けの全画面動画も生成できます。
- 入力:プロンプトにはテキストだけでなく画像や映像クリップも利用可能。参考画像のテイストを反映した動画生成や、入力動画の続きとなるシーンを作ることもできます。
- 生成スタイル:実写風からアニメ風まで多彩なテイストで出力できます。カメラ視点やレンズ効果なども細かく指示でき、思い通りの映像に仕上げられます。
こうしたスペックにより、AI特有の不自然さがほとんどなく、人物も指が5本ある自然な手で描かれるなど細部までリアルだと評価されています。一見AIが作ったと気づけないほど完成度が高く、公開当初から大きな話題を呼んでました。
Veo3の商用利用の可能性
次に、Veo3をビジネス用途で活用する場合のポイントを見ていきましょう。Geminiの利用規約(https://ai.google.dev/gemini-api/terms?hl=ja)を見る限りでは、Veo3で生成した動画は商用利用が可能に思えますが、実際に商用利用する場合にはご自身でご確認ください。
なお、生成動画には「SynthID」という見えない電子透かしが埋め込まれておりAI生成コンテンツと判別できます。また、既存ブランドのロゴ無断使用や実在有名人に酷似した人物の生成など禁止事項も定められています。著名人そっくりのキャラクターは肖像権侵害リスクがあるため注意が必要です。
Googleはクリエイター向けのAI映像制作プラットフォーム「Flow」も提供しており、Veo3やImagen、Geminiといったモデルを統合して長尺のシネマティック動画を直感的に制作できます。こうした専用ツールを使えば、短いクリップを積み重ねてストーリー性のある映像を効率よく生み出せます。 ※「Google AI Pro」「Google AI Ultra」プランに加入することで利用可能になります
まとめ
ちょっとしたシーンをタレントを使って撮影・編集する作業は動画生成AI「Veo3」に置き換わる未来がすぐそこまで来ていると実感しました。8秒間の短いクリップから始まったVeo3ですが、今後のアップデートで生成時間や解像度のさらなる向上も期待できます。マーケティング動画から映画制作のプリビズ、オンライン教育やSNS向けコンテンツまで、あらゆる分野でVeo3のような動画生成AIが使われていくような未来が見えてきた、そんなできごとでした。
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