小さなな会社の広報戦略室

中国発AIエージェント「Manus」

中国発AIエージェント「Manus」

またまた凄そうなAIが出てきました。今回は、中国のスタートアップが開発した自律型AIエージェント「Manus(マヌス)」です。最近は「AIエージェント」という言葉を耳にする機会が増えてきました。「AIエージェント」とは、与えられた目標を達成するために、自律的に行動するプログラムやシステムのことです。「Manus(マヌス)」がその「AIエージェント」というふれこみで、自律的にタスクを実行し、最終成果物を生成してくれます。

さっそくManusの概要について見ていきましょう。Manusは中国のMonica.im社が開発・公開した自律型AIエージェントです。開発リーダーの季逸超(Ji “Peak” Yichao)氏によると、「Manusは単なるチャットボットを超えた世界初の汎用AIエージェント」を目指しているとのこと。ちなみに「Manus」はラテン語で“手”を意味していて、「Mens et Manus(心と手)」というフレーズから発想を得たネーミングだそうです。

Manusが狙うのは、目的達成の“最後の一歩”までAIが請け負うこと。従来のチャットボットだと、ユーザーが何度も指示を出して段階的に作業を進める必要がありました。しかしManusは、いったん大まかなゴールを伝えるだけで、情報収集から分析・レポート作成などを自動で完了させるというのが特徴です。そのため「AIによる業務代行」「完全自動化したプロジェクト進行」の実現に期待が寄せられています。

どのような使い道があるのか事例がのっています。

導入事例

旅行プラン作成:日程と行き先を伝えるだけで、観光スポットや移動手段、持ち物リストまでまとめた“ほぼ完成形”の旅行案内を用意

Webサイト構築:Web上のサンプルコードやデザイン案を取得し、文章やレイアウトを自動生成したWebサイトを一から作ってくれる

株式レポート分析:指定した銘柄(例:テスラ)の財務データや市場ニュースを収集・解析して、グラフ入りのレポートをまとめる

並行タスク処理:SNS投稿やリサーチ、自動売買など多数の作業を一度に進める

これらの例からわかるように、Manusは「思考+行動」を連続的に実行し、最終成果物まで仕上げるというのが最大のウリです。流石に今のところ上記の事例が完璧にできるとは思いませんが、他のOpenAIなどのほかのAIもごくごく近い将来完璧にできるようになってくると思うので多くの業界で人がいらなくなりそうですね・・・ちなみにManusは三者機関によるGAIAベンチマーク(汎用AIアシスタントの性能評価)においてOpenAIのモデルも凌駕するスコアをたたき出しています。

セキュリティに関してですが、ユーザーデータの取り扱いについて詳細な公開情報はみつかりませんが、新興企業のサービスであるためデータの保管場所や暗号化、プライバシーポリシーの透明性は今後注視すべき点です。企業利用を想定した場合、機密データをクラウド上のAIエージェントに預けるリスク評価が必要でしょう。幸い、Manusは出力成果物の商用利用を許可しており​、生成物に関してユーザーが権利を持てる形です。ただし内部で利用したデータや処理ログがどの程度保存・解析されるか不明であり、機密情報を扱う用途では現段階では慎重な検討が求められます。また、中国発のサービスであることから、中国のサイバーセキュリティ法規などに準拠したデータ監視・検閲が行われる可能性も指摘されています(公式には言及なし)。現時点で重大なセキュリティインシデントの報告はありませんが、利用する場合は注意が必要ですね。

これからAIエージェントの競争はますます激化し、僕たちの生活やビジネス環境は大きく変わっていくかもしれません。Manusのような「任せるだけでOK」な自律型AIが普及すれば、仕事量が減る分、人間のライフスタイルが変わってくる未来が訪れるはずです。人類にとって明るい未来があることを願いますが、よく映画に出てくるようなAIによる悲観的な未来も可能性はゼロということではないと思うので、人間がAIにどこまで任せられるのか、どんなリスクを想定しておくべきかといった議論も必要になりますね。