Adobe Fireflyの動画生成AI

ついに公開されました「Adobe Firefly Video Model」ベータ版。テキストや画像から手軽に動画を生成できるAIツールとして注目を集めています。
すでに画像生成AIをリリースしており、現在では画像・ベクター・動画生成を一挙に担う「マルチモーダル」な制作環境として進化を遂げています。僕もさっそく「Adobe Firefly Video Model」ベータ版に触ってみました。その時生成したものを張ってありますのでご興味があればみてください。ちなみにサンプルで作成した動画のプロンプトは「東京の町中で車の間を縫うように空を飛ぶメガネをかけたサラリーマン」ですが、ちょっと想像していたものと違うかな・・・。ちょっと変わった動画が上がってくることもある反面、クオリティは想像以上に高い印象を受けました。
さて、このAdobe Firefly動画生成ベータ版がいったいどんなものなのか、簡単にまとめてご紹介していきます。気軽に読んでみてください。
まず、Adobe Fireflyが他のAI動画生成ツールと大きく違うのは「商用利用が可能」だという点です。これは、著作権や商標登録されたコンテンツをトレーニングデータに含めていないことが大きな理由。広告や企業案件で使うにあたって、利用上のリスクが低いのは非常に助かります。しかも、Adobeの製品という強みを活かしてPremiere ProやAfter Effectsと連携しやすいのも魅力ですね!
動画生成のやり方は大きく分けて2通りあります。ひとつは「テキストから動画を生成する」方法。もうひとつは「画像から動画を生成する」方法です。テキストから生成する場合、例えば「雪の降る森でふわふわのウサギが日の出に照らされながらスローモーションで跳ね回る」みたいに、かなり細かくプロンプトを指示すると、そのイメージをAIが読み取ってショートクリップに仕上げてくれます。バリエーションも豊富で、光の当たり方やカメラアングルまで指定できるので、慣れるとかなり自由に表現できるとおもいます・・・多分(笑)。
一方、画像をアップロードして動画に変換する「画像から動画生成」も便利です。静止画にちょっとした動きを加えるだけで、SNSで映える映像になったり、スライドショーに彩りをプラスしたりできるので、クリエイティブの幅がぐんと広がります。Adobeの公式サイトを見ると、いわゆる“Bロール(メインのビデオクリップを補足する映像)”を簡単に作れると説明されていて、足りないショットをFireflyに生成してもらう、なんて使い方も推奨されています。
ただし、現状のベータ版にはいくつか制限があります。1080p解像度で縦横比16:9または9:16、フレームレートは24fps、動画の長さは最大5秒まで。さらに複雑な長尺の動画を作りたい場合は、Fireflyでベース素材を作ってPremiere ProやAfter Effectsで編集するということを想定しています。加えて、人間や動物の動きが少し“ゆがむ”ことがあるなど、まだまだβ版らしさも残っています。
料金プランは、単体の有料プランとして、1080pの5秒動画を月に最大20本生成できるFirefly Standard(月額9.99ドル)、最大70本生成できるFirefly Pro(月額29.99ドル)。無料ユーザーでも月2回まで動画生成ができるので、とりあえず試してみたいという人にはうれしいですね。生成クレジットが設定されていて、追加で購入も可能。画像やベクターの生成はどのプランでも無制限とのことで、広告制作やSNS運用などで幅広く素材を量産したい人には心強いサービスです。
実際に使ったユーザーからは、操作性の高さを評価する声が多いようです。インターフェイスがわかりやすく、アングルやカメラモーションなどの設定がサイドパネルにまとまっているのでわかりやすい。ある程度作り込みたいときは、Adobeの他ツールと連動させると効率的です。その一方で、「フォトリアリズムはまだ少し弱い」「意図したプロンプトどおりの結果にならないケースもある」といった改善要望もちらほら聞きます。とはいえ、まだベータ版。今後アップデートが進むことで、このあたりは大きく進化していくのではないでしょうか。
いずれにせよ、AIによる生成技術はビジネスやクリエイティブシーンを大きく変えています。Adobe Fireflyの動画生成以外にも様々な動画生成AIがあります。まだまだ進化途中だからこそ、柔軟に楽しみながら使いこなしてみる価値があると思います。ぜひあなたも、この新しい動画生成の世界を体験してみてくださいね!
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